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2025.08.15
【2025年版】特定技能(農業分野)の最新制度と採用実務ガイド

人手不足が続く農業分野で、即戦力として活躍できるのが在留資格「特定技能」です。本稿は特定技能/農業の2025年最新ルールを、制度の全体像から採用・労務の実務、手続きの流れ、違反回避まで一冊で把握できるよう整理しました。読み終えれば、社内説明と受入れ準備を自走できるレベルのチェックリストと、落とし穴の回避策まで手に入ります。

この記事でわかること

  • 特定技能(農業分野)1号・2号の違いと2025年の変更点
  • 採用~配置~労務管理までの実務フローと必要書類
  • 手続きの具体的ステップと平均期間の目安
  • 違反・トラブルの典型パターンと回避策(表で整理)
  • 社内稟議を通すためのポイントと導入チェックリスト


制度概要(基本概念)

特定技能は、人手不足分野で一定の技能を有する外国人材を受け入れる在留資格です。農業分野では、栽培(耕種)・畜産の現場で即戦力として就労できます。区分は「特定技能1号(一定の技能)」「特定技能2号(熟練技能)」。2025年は所管省庁・運用要領の更新が続き、農業分野の2号試験が本格運用となりました。1号は通算最長5年・家族帯同不可が原則、2号は在留期間の上限なし・家族帯同可(要件あり)です。

注:在留資格の可否・在留期間・家族帯同の詳細は運用要領の改正により変動する場合があります。最新の公式情報で必ず確認してください。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」(最終閲覧日:2025-08-19)/
出入国在留管理庁「農業分野の情報」(最終閲覧日:2025-08-19)/
農林水産省「在留資格『特定技能』(農業)」(最終閲覧日:2025-08-19)

取得条件(技能・日本語・受入体制)

技能要件

1号は農業技能測定試験(1号)合格等で証明します。2号は2025年から本格化した農業技能測定試験(2号)により熟練度を判定。受験資格として、管理者として2年以上、又は現場実務3年以上が求められます(耕種・畜産それぞれに区分あり)。

日本語要件

日本語はJFT-Basic(A2レベル)またはJLPT N4以上で確認します。現場の安全や勤怠・労務連絡のため、配属先に合わせて用語教育(農機・衛生・安全標識)を事前実施すると定着率が上がります。

受入体制(登録支援機関/自社支援)

1号受入れでは、生活オリエンテーション、住居確保、行政手続き同行、日本語学習機会の提供など義務的支援が必要です。自社で実施するか、登録支援機関へ委託します。就業規則・安全衛生・時間外上限・同一労働同一賃金など、労務管理の国内法令は日本人と同一に適用されます。

出典:全国農業会議所「農業技能測定試験(1号・2号)」(最終閲覧日:2025-08-19)/
国際交流基金「JFT-Basic」(最終閲覧日:2025-08-19)/
日本語能力試験(JLPT)公式(最終閲覧日:2025-08-19)/
厚生労働省「外国人の雇用」(最終閲覧日:2025-08-19)

採用・配置の実務ポイント

求人設計と選考

募集段階で職務範囲(ジョブディスクリプション)・シフト・季節繁閑・住居条件・送迎有無を明示します。面接は通訳を入れても、安全に関する日本語理解を実技・図解で確認するのが現実的です。社宅・寮は夜間騒音・ゴミ出し等の地域ルールを予め説明します。

配置と教育

初期3か月は指導担当(OJT)を固定し、日本語の単語帳+写真マニュアルで共通言語化。繁忙期は残業が増えやすいため、36協定や繁忙期特例の上限をモニタリングし、管理することが大切です。勤怠はスマホ打刻+多言語UIを活用するのも手です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」(最終閲覧日:2025-08-19)/
農林水産省「農業分野の特定技能」(最終閲覧日:2025-08-19)

手続きの流れ(具体的な進め方)

① 受入方針の決定(職務範囲・人数・勤務地・支援方法の決定/社内稟議)
② 候補者の選定(技能・日本語の確認/2号は受験資格の実務年数を証明)
③ 雇用条件の確定(賃金・労働時間・社宅・送迎・教育計画を明記)
④ 在留手続(認定 or 変更申請/必要書類の収集・支援計画の作成)
⑤ 入国・入社オリエンテーション(生活ガイダンス・ルール説明・安全教育)
⑥ 配属・OJT開始(導入3か月レビュー・定着支援・勤怠/安全の定期点検)

期間目安:募集~入社まで2〜4か月。海外在住者の新規受入は渡航手配で長くなる傾向。外務省の案内に沿ってビザ手続きを進めます。

出典:外務省「在留資格 特定技能」(最終閲覧日:2025-08-19)/
全国農業会議所「2号 農業技能測定試験(トップ)」(最終閲覧日:2025-08-19)

導入チェックリスト

  • ジョブディスクリプション・就業規則・安全手順書を多言語化した
  • 1号支援の体制(自社or登録支援機関)と緊急連絡網を整備した
  • 繁忙期の時間外上限管理(36協定)と勤怠システムの運用を決めた
  • 住居・通勤・地域ルール説明(ゴミ出し・騒音)を初日に実施できる
  • 2号受験者には実務年数の証明書と誓約書を準備した

導入伴走や制度設計は、FarmONの各種サービスで支援可能です。

成功事例と失敗事例

成功事例(露地野菜・30名体制)

日本語A2レベルの用語集と写真マニュアルを整備し、危険作業は動画OJTで統一。指導者評価を月次で可視化し、定着率が前年+18%に改善。

失敗事例(畜産・夜勤あり)

夜間巡回の手順が口伝で属人化。多言語掲示・温湿度アラートの設定が遅れ、ヒヤリハットが続出。標準手順書(SOP)と点検表の整備で再発防止

出典:農林水産省「農業×特定技能 各種情報」(最終閲覧日:2025-08-19)

よくある落とし穴(違反事例の回避策)

事例 リスク 回避策
求人票と実務が乖離(繁忙期の残業想定なし) 労使トラブル・離職・不利益取扱いの疑義 繁忙期シフト・上限時間を明記し、月次で差分説明
1号支援の未実施/記録が残っていない 行政指導・受入停止 支援計画のToDo化と証跡(写真・議事・同意)を保管
安全掲示が日本語のみ・図解なし 労災・品質事故 ピクト+多言語掲示・実演OJT・理解度テスト
2号受験の実務年数証明が不備 受験不可・スケジュール遅延 様式に沿った証明書・誓約書を事前点検し提出
派遣活用時の適法性確認不足 違法派遣の疑い 農業分野の派遣可否・要件を省庁情報で確認し契約整備
出典:出入国在留管理庁「農業分野の情報」(最終閲覧日:2025-08-19)/
農林水産省「特定技能(農業)」(最終閲覧日:2025-08-19)

今後の見通し(法改正・運用変更)

2025年は運用要領・各分野別冊の改正が継続し、農業分野の特定技能2号試験が定例実施となりました。地域共生の観点から、支援の質と地域連携がより重視されます。最新の「分野別冊」「様式一覧」の更新日を定期確認しましょう。

注意:本章は将来動向の要約です。最新の官庁発表・告示により要件や様式が変わる場合があります。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」更新情報(最終閲覧日:2025-08-19)

よくある質問(FAQ)

Q1. 特定技能1号と2号の違いは?

A. 1号は一定の技能で通算最長5年・家族帯同不可が原則、2号は熟練技能で在留上限なし・要件を満たせば家族帯同可です(最新の運用要領をご確認ください)。

Q2. 日本語要件はどれくらい?

A. 目安はJFT-Basic(A2)またはJLPT N4以上。安全・品質に直結するため、配属先の専門用語を事前に学習させると定着が向上します。

Q3. 採用から入社までの期間は?

A. 国内在住者の変更は1〜2か月、海外からの新規は2〜4か月が目安です。書類不備・面接調整で延びるため余裕を持って計画しましょう。

Q4. 登録支援機関に任せれば自社は何もしなくてよい?

A. いいえ。委託しても受入企業の責務は残ります。就業環境の整備・安全衛生・勤怠管理は貴社の役割です。

Q5. 2号への移行を見据えた運用のコツは?

A. 職務の高度化ロードマップを作り、評価・教育記録を蓄積。実務年数証明書をスムーズに発行できるよう、勤怠・配置の証跡を整えます。

出典:JFT-Basic公式(最終閲覧日:2025-08-19)/
JLPT公式(最終閲覧日:2025-08-19)/
全国農業会議所「2号試験」(最終閲覧日:2025-08-19)

まとめ・お問合せ

特定技能/農業は、現場の即戦力確保と技能の継承を同時に進める有効な選択肢です。成功の鍵は、受入体制の整備・安全衛生の徹底・生活サポートです。制度は更新が続くため、公式情報での定期点検と、現場に即した日本語教育が重要です。

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監修・執筆:株式会社FarmON 最終更新日:2025-08-19




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